上田城千本桜入門

上田城跡公園内の桜

 上田城跡公園の標本木は、二の丸通り沿いにあるソメイヨシノです。標本木に5~6輪花が咲いたら開花、8割開花したら満開となります。

 上田城跡公園を埋め尽くすように咲くソメイヨシノのほか、いち早く開花するシダレザクラ、可憐な花をつけるウコンザクラなど、上田城跡公園内に植えられている数種類の桜をご紹介します。 毎年、春になると見事な桜が上田城跡を飾りますが、いつ頃から桜の名所になったのでしょう。古写真などの調査で、次のようなことがわかりました。

ロトウザクラ(魯桃桜)

ロトウザクラ「日露戦争に行った軍人が凱旋記念に持ち帰って植えた」と言われており、魯西亜(ロシア)の「魯」の字と、桃に近い植物なので「桃」の字を入れ、「魯桃桜」と命名されました。
桜よりは桃に近い品種で、寒風の中で最も早く花を咲かせる木です。

上田城跡公園では・・・
市立博物館の裏手に6本植えられています。いち早く満開になり、けやき並木西側の土手の上から間近に見ることが出来ます。

ヒガンザクラ(彼岸桜)

ヒガンザクラ別名「小彼岸桜」(コヒガンザクラ)。花は桜より密集して咲きます。
伊那市高遠が名所として知られています。
花は一重咲きで淡い紅色。
開花期はソメイヨシノより早い3月下旬頃。

上田城跡公園では・・・
本丸跡、二の丸跡の憩いの広場などに植えられています。

エドヒガン(江戸彼岸)

エドヒガン本州・四国・九州に分布する野生種。 花期が早く、関東地方で彼岸のころには咲くところから名前がつきました。 寿命が長く天然記念物になっている大木が各地に多数あります。
花は小輪、一重咲きで淡紅色。萼筒が丸くふくらむのが特徴。
開花期は3月下旬。

上田城跡公園では・・・
北櫓のお堀側、シダレザクラの横に咲いています。

シダレザクラ(枝垂桜)

シダレザクラエドヒガンから作られた園芸品種で、細い枝が垂れ下がる以外はエドヒガンと変わりません。枝の垂れ下がる原因は枝の上下の成長速度の差によって起こるといわれています。その美しい樹姿から各地で栽培されており、寿命が長く名木も多数あります。
早咲きと遅咲きがありますが、上田城跡公園のシダレザクラは早咲きです。
開花期は3月下旬。

上田城跡公園では・・・
北櫓の前にあるシダレザクラが有名な見どころです。その他、市民会館前や本丸跡など、公園内各所で華やかに咲いています。

ソメイヨシノ(染井吉野)

ソメイヨシノエドヒガン(江戸彼岸)とオオシマザクラ(大島桜)を交配して作られたものと考えられており、江戸末期に江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋から「吉野桜」として売り出された品種です。
現在では日本各地に植えられている代表的な桜で、一般的にサクラの開花情報などの基準となっています。
花は中輪、一重咲きで淡紅色。
開花期は4月上旬。

上田城跡公園では・・・
堀の周囲、けやき並木沿い、本丸跡、城跡公園周辺の道路沿いなど、上田城跡公園内で最も多く植えられている桜です。

ヤマザクラ(山桜)

ヤマザクラソメイヨシノの登場前は、サクラといえばヤマザクラのことを指していました。古来より親しまれてきた代表的な野生の桜です。日本の南半分に広く分布しています。
花は中輪、一重咲きで白~淡紅色。
開花期は4月上旬から中旬。

上田城跡公園では・・・
城跡駐車場に隣接している芝生広場の周囲、二の丸跡の憩いの広場などに植えられています。

ウコンザクラ(鬱金桜)

ウコンザクラ花の色がウコンの根茎で染めた色に似ていることから、この名前が付きました。黄桜、黄金桜、浅黄桜などの別名があります。
花は大輪、八重咲きで黄緑色。
開花期は4月下旬。

上田城跡公園では・・・
市立博物館の南側に一本あります。他の桜が終わる頃に見頃を迎えます。